英語はスポーツだ!英語学習・スピーキング・英検1級ブログ

40代メーカー勤務。留学・英会話スクールに通わずに英検1級合格。英語勉強法のノウハウを説明。

Review:英語学習は早いほど良いのか

こんにちは、管理人のTakuoです。

最近読んだ本を皆さんにご紹介したいと思います。

みなさんが非常に気になるトピックスだと思います。

 

英語学習は早いほど良いのか (岩波新書)

英語学習は早いほど良いのか (岩波新書)

 

 

よくある疑問として、幼児、もっと言うと赤ちゃんくらいから、外国語を始めればネイティブ並みになれるのか?と言う疑問があります。また、大人になった人が学習を始めたとして、外国語をネイティブ並みに話せるようになるのか?と言う話もあります。

 

この本では各種論文から網羅的に現状考えられる結果を提示してくれます。下記、いくつか抜粋です。

 

学習開始年齢は重要ではなく、学習時間数と学習の質が重要

外国語を学ぶ上で、早い年齢からやればより自然に身につくとか、赤ちゃんが学ぶプロセスで英語を学ぶなどありますが、研究者の調査結果からすると、開始年齢は外国語の習熟度に関係がないそうです。

 

関係があるのは、学習時間数とその質ということで、早く始めればそれだけラクに自然に習得できる、というものではないようです。

 

6-9才までの英語学習者を3年間追跡調査した結果、学習を開始した年齢よりも学習時間に有意性があり、逆に早いと点数が下がる傾向があった
早い年齢から外国語学習をやるとその習得具合が悪い傾向があったとのこと。早い年齢からやると学習期間が長いから習得具合は進むが、だらだらとやってしまっている感じになる、と言うことでしょうか。

 

考えてみると6歳は幼稚園生ですから、まだ人間としての物事を認識するレベルもこれから、と言う感じですよね。そのような子たちに、日本のようなバリバリ日本語だけの環境で、英語を学ばせたとしても、あまり身につかない、と言うことですね。

なんとなくわかる感じがします。


イマージョンプログラムは言語習得上違いを生み出さない

 なんか英語教育関連の業者の方が見たら、嬉しくないことばかり並べてますが(笑)。イマージョンプログラムというのは、日本語で教科を学ぶ代わりに、英語で学んでしまおうというものです。

 

一見英語で学べば英語も向上するように感じますが、英語だけ普通に学んで、教科は日本語で学ぶ普通の人と比べて、英語の習得具合は変わりがないという結果だそうです。

 

第2言語を学ぶ人が、その言語が熟達するにつれて、母語話者と同じ脳電位活動を示すようになる

 外国語の習得具合を見るのに、脳に電極を取り付け、脳がどのように動いてるか見る研究もされており、外国語に習熟するにつれて、脳の働きがネイティブと同じような挙動を示すようになるそうです。

 

成人学習者が母語話者に近いレベルになれる割合は5-10%、多く見積もって5-25%程度

 25%はちょっと多いかな、というイメージですが、いわゆるネイティブ並みに実際なられている方もいるとのことです。

 

そのような方は、実際その言語が話される国に長年暮らし、配偶者がその国の人で、一生その国で暮らすと考えている人が多いようで、そりゃそうなりますよねという感じです。

 

母語話者に近いレベルになった人には、高い動機、意識、発音にこだわる姿勢が共通して見られる

やはり努力が必要ということですね。

とてもためになる本ですので是非興味を持たれた方は読んでみてください!

 

 

英語学習は早いほど良いのか (岩波新書)

英語学習は早いほど良いのか (岩波新書)